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「地域に根ざした学校づくり」への挑戦

廃校を再生し、
地域とつながる学びの場へ

プラスグループの株式会社教育環境研究所は、数多くの学校建築を手がけ、「新しい学びの場」を提案し続けています。一方、プラス株式会社のファニチャーカンパニーは、学校内の家具の提供を通じて、教育環境を提案しています。「地域社会とのパートナーシップの促進」をマテリアリティに掲げるプラスグループは、2025年10月に開校した広域通信制高校「沖縄中央高等学校」の立ち上げを支援しました。ここでは、そのプロジェクトに携わった3名の担当者に、プロジェクトについて語ってもらいました。

プロフィール

株式会社教育環境研究所
副部長兼主任研究員

廣瀬 和徳

2002年、プラス株式会社入社。教育環境研究所に所属し、学校建築の研究と実務に従事。小中学校を中心に、全国の学校づくりに関わる。構想・計画の立案、設計から建設段階の計画指導を担当。

プラス株式会社
ファニチャーカンパニー
営業本部 九州支社

守屋 翔伍

2016年、プラス株式会社入社。ジョインテックスカンパニーにて、オフィス用品などの販売に携わる。2022年にファニチャーカンパニーに転籍。各種家具提案や納品に従事。行政案件も多数担当。

プラス株式会社
ファニチャーカンパニー
営業本部 関東支社

岡 洋輔

2018年、プラス株式会社入社。ジョインテックスカンパニーで日常生活用品、オフィス家具用品の販売に携わる。2022年にファニチャーカンパニーに転籍。オフィス家具用品の販売や内装工事などを担当。

Episode 1:プロジェクトの背景 子どもたちに「社会で生き抜く力を身につけてほしい」という想いに共感

どのような経緯で、沖縄中央高等学校の立ち上げを支援することになったのでしょうか。

廣瀬

沖縄中央高等学校の設置者である中央国際学園とは、2013年の学校法人および広域通信制の中央国際高等学校(千葉県御宿町)の設立をお手伝いしたところからの関係です。2024年に2校目の学校設置について相談がありました。沖縄県宮古島市の廃校を活用し、定員5,000人の広域通信制高校をつくりたいという構想です。私たちは、学校の設置認可、廃校の活用に関する検討支援、学校側の実務全般の伴走を担いました。

2校目の開校にあたり、学校で使う家具の調達と搬入を任されました。ただ、沖縄の離島に開校するということでしたので、当時私が所属していた関東営業所だけでは対応が難しいことから、沖縄営業所の守屋さんに相談しました。

守屋

私は岡さんから依頼を受けて、現地の協力会社の手配や搬入時の現場監督を担当しました。最初に現地調査で見た校舎は、まさに“廃校”の状態。本当に再生できるのか、不安もありましたし、逆に興味深く、早く見てみたい気持ちもありました。

Episode 2:学校づくりのコンセプト 現地での体験、人とのつながりを重視した学校づくり

空間づくりにおいて重視していたことを教えてください。

廣瀬

沖縄中央高等学校の集中スクーリングは、教科学習に加えて、多様な体験機会の提供が重要です。座学だけでなく、宮古島市全体を学びのフィールドとして活動します。そのため、間仕切りを極力排し、少人数でも大勢でも活動できる空間をベースにしました。また、集中スクーリングの機会は開放的な気持ちで活動できる環境を目指しました。

  • 集中スクーリング:本校で数日間にわたって対面での授業を受けるプログラム

家具選定では、御宿校との統一感を持たせながら、沖縄らしさも加えました。スクールカラーの緑をベースにしつつ、書架には木目調を取り入れて南国らしい雰囲気を演出しています。また、ラウンジや図書コーナーには、リラックスして過ごせる家具を選びました。卓球台なども設置し、自然に交流が生まれる空間を目指しました。

間仕切りをなくし、生徒数に応じて柔軟に可変できる教室空間

リラックスした雰囲気の中で交流が生まれるフリースペース

随所に木目調の家具を配置

地域との連携についても教えてください。

廣瀬

沖縄中央高等学校は、農業、漁業、観光などの産業、その土地の自然や歴史遺産などの本物に触れること、何よりその土地の人から直接学ぶこと、交流することを重視しています。また、この場所は旧沖縄県立伊良部高校の跡地です。島には卒業生も多く、廃校になったことを残念に思っている人もいます。学校を地域に開き、さまざまな活動で使ってもらえるようにしていくことも今後の取り組みで重要になります。まずは、そのための最低限の環境を整えたのが今の段階です。

開校式での地元団体によるエイサー披露や三線ライブ

Episode 3:プロジェクトの実現に向けて かつてない離島での大規模プロジェクトが動き出す

立地的に難易度の高いプロジェクトでしたが、どのように学校づくりを進めていったのでしょうか。

廣瀬

プロジェクトが始まった段階でいくつか課題がありました。一つ目は、旧伊良部高校跡地を取得できる見込みが立ってから、最短を目指すのかどうかです。二つ目は、廃校になってから何年も経過している建物のため、ある程度の規模の改修設計と改修工事が必要で、それを誰に依頼して進めるのかということです。三つ目は、広域通信制高校のガイドラインが改訂され、その運用が厳格化されはじめた時期で、手探りの取り組みを新校に実装する必要があることです。このほかにも、さまざまな課題を乗り越えて、最短で開校にたどり着くことができました。これはチーム全体で取り組んだことであり、私たちが担ったのはその中の一部分です。

プラス側では2024年6月頃から、家具を配置したレイアウトや費用の提案を具体化しました。ただ、離島ですので輸送コストや納期の予測に課題がありました。那覇までは見通しが立っても、そこから先の島への輸送は別の難しさがあるのです。そこで、守屋さんから輸送日数や費用面で多くの助言をもらい、それをもとに計画を組み立てました。

守屋

梱包廃材の処理方法なども離島特有の事情がありますので、岡さんに共有しました。また、沖縄にはグループの施工部隊がないため、沖縄本島の販売店と宮古島の販売店・協力会社に頼みこんで、作業をお願いしました。搬入は2025年8月から始まり、10月1日の開校まで2か月弱という短い工期でしたので、私自身も家具の組み立て作業に加わって急ピッチで進めました。真夏の作業でしたのでフラフラになりながらも、何とか間に合わせることができました。

Episode 4:プロジェクトを通じて得た手応え 教育分野に活かされる、プラスのグループシナジー

社会的意義も大きなプロジェクトをやり遂げた感想をお聞かせください。

守屋

私がこれまでに担当した中で一番大きなプロジェクトでしたので、大変でしたが大きな自信になりました。販売店との関係を築いてくれた上司、離島向け見積もりの出し方を支えてくれた同僚など、多くの協力があってやり切ることができました。沖縄営業所で働く者として、地域活性化に貢献するプロジェクトに関わることができ、感謝しています。

このプロジェクトに参加できたこと自体が大きな財産です。最新の学校施設づくりの経験と知識の両方を得ることができました。今回の経験は確かな自信になったので、今後同様の案件があれば胸を張って対応したいと思います。

廣瀬

プラスグループの家具計画、家具の調達という点では、岡さんが早い段階で守屋さんに声をかけたのはファインプレーでした。沖縄県のさらに離島という、本来は対応していない場所でも取り組めたのはその連携があったからです。日々の学校の活動を支えるのは、このような家具や消耗品が安心して学校に届けられるからでもあります。計画や建築という大きな活動に加え、グループのシナジーを活かして、今後も学校の活動を支えていければと思います。

ステークホルダーからのメッセージ チームでつくる沖縄中央高等学校

学校法人 中央国際学園 理事長 斉藤 守 様

沖縄中央高等学校の設立計画を具体化させてから開校に至るまでの2年間、多くの方々の協力を得て、無事に開校を迎えることができました。沖縄中央高等学校は本学園2校目の広域通信制高校ですが、両校とも一人ひとりのペースで着実に学びながら、「本物に触れる体験」を通じて「社会で生きる力」を身につけてほしいと願っています。
中央国際高等学校に続き、沖縄中央高等学校の計画にも教育環境研究所に伴走していただき、設置計画を実現することができました。本校の理念や目指すものを理解し、本校職員とともに現地に何度も足を運び、一緒に課題を乗り越えてもらえたことが本校実現に大きな力になりました。プラスの皆さんにも中央国際高等学校や中央高等学院のプロジェクトにいつも協力いただいています。今回は特に離島で難しい条件でしたが、無事完成へと導いていただき、ありがとうございました。引き続き本校の活動に支援いただき、よきパートナーとしてともに歩んでいただければ幸いです。